弱虫ペダルが好きすぎて

祝!連載10周年!!アニメ4期は2日目の山へ!週チャン連載はいよいよラストゴールへ!ゆるペダルナイトで『総北信号機トリオの手繋ぎゴール』を先生にお願いしたかったのに忘れて大後悔中。弱虫ペダルの好きな場面と時々声優関智一さんの舞台話など。

弱虫ペダルRIDE. 500『鳴子章吉』とうとうリタイア

わたるん先生


今週の弱虫ペダルRIDE. 500『鳴子章吉』。

連載500回おめでとうございます。 記念すべき500回はキリ番というだけでなく名実ともに忘れられない回になりました。


とうとうこの日が来てしまいました。
サブタイトルを見た瞬間、そうなのだと悟りました。 仕事をやり終えて静かに散った鳴子、お疲れさまでした。 来週からは鳴子の想いが今泉と坂道の背中にくっついているのを感じながら読みます。


キリ番ゲットの『鳴子章吉』

先週今泉が「鳴子章吉‼」とフルネームで叫んだことや、連載400回は「小野田坂道」だったこともあり、今週のサブタイトルはもしかして『鳴子章吉』かなぁ、とぼんやり予想していましたが、まさかほんとうにそうなるとは! びっくりしました。

もう派手な秘密兵器が繰り出されるわけでもなく、大きな動きもなく静かに仕事を終えて散っていく鳴子への先生からのお疲れさまの気持ちが全コマ、全ページに込められているような、そんな気がしました。

追いついた……

…か? スカシ


…なァ スカシ その はずや
気配するからな 並んどるやろ…
御堂筋に


ああ
追いついてるよ ちゃんと
よくやってくれた


感謝する


沁みます、この二人の言葉少ないやり取り。
こういう時、鳴子は必ずスカシに尋ねますよね。 坂道じゃない。
坂道に聞いたら、きっと泣きそうで答えられないから?

追いついたことを今泉の返事から確認して、この言葉とともに安堵のため息を漏らした鳴子。

ハァッ
そ…ら

よかった…わ

それまでパンパンに張っていた緊張の糸と気持ちは、追いついたことがわかったここで切れたんですね。 気力だけで動いていた体からも力が抜け、「よかった…わ」と言ったあと、ひとコマごとに鳴子の手から力が抜けていくのがはっきりわかりました。

パラパラマンガみたいです、いやマンガなんですけど、そのコマごとの描き分けの細かさに、本当に細かいところまで描き込まれているんだなぁとじーんとしてしまいました。神は細部に宿る、の言葉のとおりですね。

これきっと、単行本のサイズでは気づかなかったと思います。 毎週毎週、大きなコマでじっくり絵を見て何度も何度も読み返してきたおかげで連載の醍醐味味わわせていただきました。ありがとうございます。


だらんと左手がハンドルから外れかけ、脚も止まりかけている鳴子と、振り向くことなくに前に進む今泉と坂道、そして御堂筋が左右のページに描かれた見開き。 落ちる鳴子と進む3人の距離がどんどん遠くなっていく様子が動いているように見えました。静止画なのに今泉の背中が遠くなっていくような気がして不思議な気分です、なんだろうこれ。絵の力すごい。

次のページをめくって、ほとんどまだ距離が出ていないことに逆に驚きました。


鳴子、最後の最後までかっこいい

追いついて御堂筋に向けた鳴子のドヤ顔、てっきり見えているのだと思わせる表情でしたが、その次の言葉でびっくりさせられました。

追いついた……

…か? スカシ

見えてないのかよ?!って突っ込みたいところですが、ここで最後まで威勢の良い姿を敵に見せるところは鳴子らしいなと思います。

特に御堂筋に対しては、追いついたということ以上に、鳴子が一番大切にしていて、対する御堂筋は一番最初に捨てなあかんものとしている「友情の力」を見せつけてやった、そんな感じがします。 それが、見えてなくても渾身の「どや!」に現れているのかなって。


友情っていうのはええもんやで 御堂筋

と言っているようにも思えました。

自転車とトモダチをこよなく愛する男、鳴子章吉。
その全くブレない一貫した姿勢、ほんとうにかっこいいです。


そして "ぐー" がとても似合う鳴子。
拳を突き上げた表情は、去年よりもはるかに晴れやかに見えます。 去年はやっぱりゴールは見てみたかった、とゴールできないことに名残惜しさを残していたけど、今年は自分でここを最後の仕事場、ゴールは見れなくていいと覚悟を決めてのリタイア。その肚のくくり方が落車した後の表情の違いに現れているように思いました。

だから来年こそは鳴子にゴールを見せてあげて欲しいです。


空に挙げた鳴子の手に隠された来年のIHの勝利

弱虫ペダルRIDE. 500『鳴子章吉』鳴子の根性注入
鳴子、渾身の根性注入

去年も「ごっつい充実感や」って言ってましたね。 リタイアしても充実感をここまで感じられる鳴子、ゴールした時の充実感はどれほどなのか、ぜひ味あわせてあげて欲しいです。


で、思ったのですが。

去年は落車したあとに手を空(くう)に突き出して「いけ…総北…‥」って "パー" で送り出してましたが、今年は「根性注入」で "ぐー" 。

なら来年は、ゴールラインで「やったで!」のVサインで、"チョキ" 出して欲しいです。

鳴子がインターハイでゴールする姿、坂道と今泉と3人でゴールする姿が見たいので、なんだってこじつけますよ!


その前に今年のゴールですよね。 やっと本気出してきた今泉、鳴子を失った悲しみを乗り越えて前に進もうとする坂道、去年以上に鳴子の想いを背負って走ってくれると期待しています。

ですが今泉の鳴子がリタイアして初めてスイッチが入るみたいなのは、今年で終わりにして欲しいです。 今泉がこのままだと、来年3人ゴールが成立しなくなるので。


今週、鳴子の最後を巻頭カラーで読みたかったのですが「ドカベン」46年間の最後の回とあれば、そりゃしょうがないですよね。いつもと違う「チャンピオン」の文字の色、明訓高校の緑色。

小学生の頃、クラス中が夢中になって読みました。里中君が頭に打球を受けた時、女子全員が泣きながら復帰を祈りました。

水島先生長い間お疲れ様でした。弱虫ペダルの500回という記念の号が「ドカベン」のラストの回。勝手に不思議な縁を感じながら、鳴子のお疲れさまと重なって、寂しい気持ちが倍増です。