まだ何も決まってない真っ白な未来 - 弱虫ペダルが好きすぎて

わたるん先生

今週のRIDE466 「手嶋のオーダー」。
いろいろ考えさせられるエピソードが満載です。

来週からの展開、読めそうで読めないです。
それになんだか人生のことを語っているような気もして、なかなか心が乱れる回でした。

先週の最後「すまなかったな」と手嶋さんが坂道に謝った坂道へのオーダーの内容が明かされましたが、はじめはどゆこと？？？と思ってしまいました。

坂道くん、いつも山では尋常じゃない走りで皆を圧倒してくれますが、自分から仕掛けるというタイプではない、というかたぶん仕掛けるということを考えもしないし、やったこともないですよね。
今日も真波と走ることをイメージしていても「精一杯ついていけたら」と、追う前提で二人で走る姿をイメージしてるし。

基本追うことしか考えていない。

そんな坂道に手嶋さんが出したオーダーは

「最後の山のファーストアタックをこちらから仕掛ける」というもの。

それも自分のリタイアも覚悟して先に飛び出し
全開で敵を引き、おさえ、疲れさせ
ゴールをとれないくらいまで脚を削るという

ある種特攻とも言えるアタック。

仕掛ける

潰す

どちらにしても

やったことないこと

そして

およそ得意とは思えないこと

をやらせようとしている手嶋さん。

普通に考えたら、

もったいない？
無謀？

成功を疑いたくなるオーダーです。
坂道くん、決して器用じゃないし。

小野田坂道といえば、

追い上げているときのほうが（追われている時より）速い

笑っているときのほうが（顔を歪めて走るより）速い

チームのために走るときのほうが（自分のために走るより）速い

ですが、

なによりも「約束は必ず守る男」

手嶋さんはこの　　

チームのために走る時のほうが早い

約束は必ず守る男

に賭けたんですね？！

先に飛び出したとしても真波に抜かれ、結局追いつ追われつになることは十分考えられます。
けどそれは想定の範囲だろうし、コントロールできる要素じゃない。

だけどオーダーとして告げればこれは「チームのため」。

そして、
「やれるか　小野田!!」と言われて「はい!!」と受けたらこれはもう約束。

坂道が全力でこれを果たそうとする、その点には絶大な信頼を置いている手嶋さん。

それに坂道の脅威の成長を肌身で実感してるんですよねぇ手嶋さん。
１年前の合宿で。

３日目最後の２年生VS１年生の闘い。

坂道を研究し尽くし、きっかり４０秒しか全力スプリントできないはず、としかけた最後の登り。坂道くんは手嶋さんの想定を超えて合宿中にスプリント能力を上げていたのでした。

それを振り返り、あれから１年経ってレースでの本気の走りを目の当たりにして、自分の予想を大きく超えて驚異的に速くなっている姿に笑みを見せた先週。

策士の手嶋さんが帰ってきた！と喜んだものの、あの笑みの意味はなんだろうと思っていました。
ようやく、あの笑みの意味がわかった気がします。

やったことないことだけど

得意じゃないことだけど

きっと坂道ならやり遂げてくれる。

そして坂道はさらに成長するだろう。

自分が卒業した後のことも考えてのオーダーなのかもしれません。坂道の器を一回り大きくする、キャプテンとしてそれもきっと考えてますよね。

それを確信してニヤッとしたのですね。

凡人のオレだって一度もできたことないゴールスプリントで勝つことができたのだから、坂道ならきっとできるさぐらい思ったんでしょうか。

そうするとこのオーダーの成功確率はかなり上がるような気もするのですが・・・

けど

事実手嶋さん本人だって「想定段階」と言ってます。

想定通りに行くとは限らない。
ロードレースだから。

と思うと、坂道くんが真波と走ることをイメージしている時のことばが重みを持ってきますね。

何がおこるか
わからない道

まだ何も決まってない
真っ白な未来

いろんなことが想像されて、楽しみと不安が胸の中で複雑に交錯します。

黒田は真波を出さずに悠人を出すかもしれない